2017年1月24日火曜日

夢の果て

年が明けてから 
やたら夢を見ています

現実離れした支離滅裂なものばかりなんですが 
やけにリアルなところがあったりして 
一体これはなんなのだろうかと 
目が覚めてからもフト考えたりしちゃいます 

誰だかわかない人物の葬式に行ったら 
地味だけど目つきがエロい熟女しか参列していなかったり 
白いご飯におかずをのせようとしたら 
一口サイズの生きているアフリカ象の群れだったり 

あと子供の頃(6,7歳)の自分が 
同い年くらいの見知らぬ男の子と 
ネバーエンディングストーリー的な大冒険をするのだけど 
途中でこれは夢だなと気づいて 
相方の男の子にバレないように 
一生懸命楽しんでる演技をしたり 

そんな中で一番印象深い夢は 
なぜだか桜田淳子さんが 
ニューヨーク恋物語の頃のビジュアルで出てきて 
妙に気が合って会話が盛り上がり 
オイラが 
「淳子さんのドリフとのコントは秀逸でしたよ!」 
と告げたら 
淳子さんが 
「あのコントの極秘映像が、実はある映像会社に隠されているのよ!」 
と言い出して 
二人でその会社に忍び込むというもの 

現実では一度も会ったこともなくて 
ファンだったこともないのに 
なぜ淳子さんだったのか??? 

さっぱりわかりませんが 
翌朝YouTubeで淳子さんの映像を見まくったことは 
当然の帰結でございます 
クック クック♪ 



改めて 
夢とはなんぞや 
と最近よくおもいをめぐらせております 

友人から借りている 
ネイティブ・アメリカンの小説の中に 
”絶対的な決定権は夢にある”という一節があり 
その言葉がやけに響いたこともあるのでしょう 

そして 
よくよく考えたら 
自分の詩はかなりの割合で 
夢から出来ていることを思いだしました 

作品として表出している部分は 
夢の原型をとどめていなかったりしますが 
詩の根底の最初の呼吸の部分は 
あの夢だったり 
この夢だったりします 



だからいずれ 
新たな詩を書き上げて 
夢の中の淳子さんに届けにいってきます☆ 

それでは 
そんな夢の成果を 
いくつかお知らせ~ 



* 



◇1月25日(水)発売 

雑誌「シェルスクリプトマガジンVol.46 2017 February」 
 世界で唯一のシェルスクリプト専門誌 
 毎号コンピューター用語をタイトルに詩を作る連載シリーズ掲載 
 イラスト担当・イケヤシロウ 
 定価:本体500円+税 
 発行:USP研究所 
 https://www.usp-lab.com/pub.magazine.html 
 ※全国書店、amazonなどの通販サイトで発売。 



◇発売中 

写真詩集「メオトパンドラ」 
 写真:キッチンミノル 
 詩:桑原滝弥 
 デザイン:尾原史和・三觜翔(スープ・デザイン) 
 定価:本体2000円+税 
 ISBN 978-4-9909145-0-9 
 A5判 / ソフトカバー /216ページ 
 発行:FOIL 
 http://www.foiltokyo.com/book/art/meoto.html 
 ※全国書店、amazonなどの通販サイト、 
  及び、桑原滝弥・関連イベント会場などで発売。 




* 




きみがメイクを落とすまでに 
列車が終点に着くまでに 
街のネオンがすべて消えるまでに 
完全犯罪が完全に成し遂げられるまでに 
母親が我が子を寝かしつけるまでに 
社会が個人を抹殺するまでに 
絶望に光が灯るまでに 
忘れてしまったあの歌を思い出すまでに 


【シェルスクリプトマガジン二月号掲載詩「lenght」より】

2017年1月13日金曜日

選ばれしものの恍惚と恍惚

おかしなもんだね。人生って。鳥取に行くことになっちまった。 

 いまからちょうど20年前。生まれてはじめて女のコとデートをした。田舎町のちいさな夏祭り。 
 相手はフィービー・ケイツに似た同級生。いわゆるひとつの、かわいこちゃん。彼女は、やわらかくて、あたたかくて、いいにおいがして、よく笑った。 
 こっちはもちろん浮かれっぱなしで、イカサマで金魚を16匹すくい上げ、射的でモンチッチを弾き飛ばし、覚えたての煙草をふかして、イエーイ。 
 得意気にフィービーの方を振り返ると、彼女の大きな黒い瞳は、オイラにではなくて、その数m後方にたむろしていた他校のスケ番グループに注がれていた。 
 なにメンチ切っとんじゃい、ボケェっ! 
 言い忘れていた。フィービーは、 やわらかくて、あたたかくて、いいにおいがして、よく笑った、が、それ以上に、よく怒った。 
 相手の数は軽く見積もって、10、20…50人! これから三年後には、県下一体を取り仕切る巨大レディースの初代総長になったのも十分うなずける。彼女の度胸の良さ。祭りだ。わっしょい。 
 おれたちは、金魚と、モンチッチと、マイルドセブンと、ありったけの唾液と、知り得るかぎりのスラングを、100人の不良娘にぶち込んで、そして、あたりまえのことだが、逃げた。 
 チャリンコに2ケツして、夜の商店街を駆け抜けた。オイラはとても速く走った。自分でも信じられないくらいの速さだった。 
 ケツではフィービーがドスを利かせて吠えまくっている。つよくひびく、それでいてどこかあまったるい、いい声だった。 
 敵どもはバイクや車まで使って追いかけてきたが、おれたちはけっして捕まらなかった。おれたちは、奴らよりも、生きるということに集中していた。 
 何時間くらい逃げたのか。いつしかフィービーは、即興で歌をつくりはじめ、好き勝手に叫んでいた。大きくて、デタラメで、熱情が込もった歌だった。
 追っ手はもうずいぶん前から見えなくなっていた。気がつけばオイラも、大声で、デタラメに、そして、なぜだか涙ぐみながら、叫んでいた。 
 星が、とてもきれいだった。 
 生まれてはじめて、星を見て、きれいだとおもった。 
 チャリンコを河原の土手に止めて、ふたりで空をながめつづけた。キスはこわくてできなかったが、いまおもえば、最高のセックスをしたときとおなじ気分だった。 
 中学一年生の夏。あの夜以来、いろんなところで、空をながめてうたう、癖がついてしまった。
 フィービーは、 やわらかくて、あたたかくて、いいにおいがして、よく笑い、よく怒り、そして、よく、泣く、やさしい詩人だった。 
 5年後に死んだのも十分うなずける。 

9月18日。鳥取で会おう。デタラメに。 

桑原滝弥 


【「選ばれしものの恍惚と恍惚」より】  




上記文章は 
いまから12年程前に 
詩学の寺西幹仁さん(故人)と 
馬野ミキくんが主催したイベント 
「夜の鳥取砂丘の中心で詩を叫ぶ」の 
フライヤーに書いたものです 

ミキくんが 
蛇口くんとチン・リーさんとやっている 
無職透明系せきららマガジン「詩と惑星」 
http://blog.livedoor.jp/poetryplanet/ 
というそれはそれは面白いBlogに 
昨年末に過去のイベント資料を載せていて 
その中から発見しました 

自分でも 
このフライヤーを持っていなかったもので 
おもわずうれしくなっちゃったのと 
忘備録の意味合いも込めて 
ここに書き起しました 
楽しんでもらえたなら幸いです 


「詩と惑星」を見てもらうとわかるとおもうけど 
オイラも関わったイベントがたくさんあって 
そのどれもがいま見ると 
”どうかしている”ものばかり!!! 

きっと最近やっているイベントだって 
数年後に振り返ったら 
どうかしている、と感じるんだろうな 笑 

でも、結局オイラが 
なんで詩をやっているのかといったら 
”どうかしたい”からなんだよな 
あなたとわたしが生きているこの世界を 


しばらく一般公開のイベントはありませんが 
また来月辺りから新たな企てを 
告知をしていきますのでご期待ください! 

未来をどうにかしちまおうぜい∞ 



* 



さてさて 
オイラの情報はかみんぐすーんということで 
今日のBlogではオイラと関わりが深い方々の 
催し物をお知らせします~ 

まずは「メオトパンドラ」 
http://www.foiltokyo.com/book/art/meoto.html 
の相方の写真家・キッチンミノルさんの写真展! 

これまでメオトパンドラ関連イベントは 
写真と詩の展示を中心に開催してきましたが 
今回はキャノンギャラリーで行われるということで 
写真をたっぷり堪能できる内容となります 

すでに書籍を購入されている方も 
そしてまだ持っていないというあなたももちろん 
ぜひキッチンさんの世界に触れてみてくださいね 

ちなみにオイラの詩も 
ちょっぴり使用してくれているみたいです~~~ 




キヤノンギャラリー 
「キッチンミノル 写真展:メオトパンドラ」 


写真家、キッチンミノル氏は週刊誌『AERA』で7年間にわたって担当した人気連載「はたらく夫婦カンケイ」の撮影を通して夫婦関係とは何であるか、その答えを探していました。しかし、出合った夫婦の関係はそれぞれが独特で、もとは他人だった人間同士が試行錯誤しつくり上げた唯一無二の存在だったのです。氏が写し撮った夫婦の姿からは、個々に独特の味がにじみ出ています。 

2017年2月2日(木)~2月8日(水) キヤノンギャラリー銀座 
2017年2月16日(木)~2月28日(火) キヤノンギャラリー札幌 
2017年3月9日(木)~3月15日(水) キヤノンギャラリー梅田 

http://cweb.canon.jp/gallery/archive/kitchen-meoto/index.html 



* 



んでもって 
もうひとつはうちの母ちゃん 
講談師・神田京子のお知らせです~ 
http://blog.kandakyoko.com/ 

おかげさまで 
今年の元旦より高座復帰をさせていただきましたが 
産後初の独演会が三月に開催されますっ 

とにかく京子さん 
メチャクチャ気合いが入っておりますし 
ゲストの紙切りの二楽師匠も 
とんでもなくイカしています☆ 

さらにさらに何やらサプライズの予感が… 

オイラも会場におりますので 
早春にパーっとお会いしましょ~~~ 




「神田京子独演会」
~サンキュー産後復帰記念/講談 子ども根多尽くし~ 


とき:2017年3月09日(木)19:00開演(18:30開場) 

場所:横浜にぎわい座 芸能ホール 
http://nigiwaiza.yafjp.org/ 

料金:全席指定 3,100円 

出演:神田京子「違袖の音吉」「秋色桜」「五郎正宗孝子伝」 
   林家二楽(ゲスト:紙切り) 

内容:男の子を無事出産した神田京子が母親の目で子どもの出てくる 
   名作三席を演じます。ゲストの二楽の紙切りも楽しみです。 
   皆様のリクエストに応じます。 

【チケット購入】 
:横浜にぎわい座(チケット専用045-231-2515) 
         Pコード : 455-806  Lコード : 39603 
http://nigiwaiza.yafjp.org/ticket/

2017年1月7日土曜日

ごあいさつ

 明けましておめでとうございます 

新しい年も 
孤独から 
孤独へ 
全宇宙を巻き込んで 
”詩”つづけてまいります 

よろしくお願い申し上げます 


詩人類 
桑原滝弥